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SSR人材育成の希望と課題

今月から新年度が始まりましたね。新社会人の皆さんを、プロスポーツ界に転職された方々も含めて応援しつつ、SSR人材育成の希望と課題について書いてみたいと思います。

SSRとは、Sport’s Social Responsibilty の略で、CSRのスポーツ版とお考えください。但し、日本で伝統的に言われているCSRではなく、経営戦略としての、事業成長に寄与するSSRです。日本でよく誤解されている従来のCSRとの違いについては、また別途ご説明します。

弊社の事業は、トップレベルのプロスポーツクラブやリーグを対象とした、SSRイニシアティブの設計導入ですが、日本でも最近はSDGsブームとともに「社会課題の解決」に取り組むクラブも増えてきたことは、大変素晴らしいことだと感じています。一方、公式サイトにSDGsマークは貼ってあるものの、本質的な活動展開を効率的なデザインで実施されている事例は、正直なところ、弊社クライアント以外では少ないと感じているのも事実です。

やらないよりはやった方がよい、という分野ではありますが、やるなら事業成長にもつなげたいですよね。

ということで、リソース投資の最適化まで含めて、これまでクライアントの現場で学び、培ってきたノウハウをまとめたオンライン講座を展開したいと考えています。

実は、最初に企画してから、かれこれ1年以上が経過してしまっているのですが、その遅れている理由のひとつに、専門性が高い2つの分野を掛け合わせた新分野の人材育成の難しさがあります。

つまり、SSR人材とは、社会問題解決・ソーシャルイノベーション分野の専門性と、スポーツマーケティングの知識と実務経験の両方が必要になり、私のような相当変わり者の経歴の持ち主以外、その両方の経験を積むのは、それほど容易ではなく、どちらかひとつの専門性を持ち合わせた方に、もうひとつの分野の専門性をインプットしていく、という手法になります。

そこでできる選択肢はふたつ。

1)CSRの専門家(SDGs、ESG、サステナビリティ分野の専門の方)に、スポーツビジネスの要諦をインプットする。

2)スポーツマーケティングの知識実績のあるプロフェッショナルに、サステナビリティ関連知識をインプットする。

現状を見る限りでは、CSR分野の専門家の方々が、支援に入っては頂けていて、活動展開はできているが、スポーツマーケティングの知見がなく、「スポーツの力」を最大限に活用したプロスポーツ仕様の最適デザインになっていなかったり、最悪の場合、権利抵触が発生していることもたまにお見受けします。

なので、弊社がとるべきポジションは、「コンサルのコンサル」であるという一旦の結論に達したのですが、やはり現場を動かしている方々の知識と理解も重要、ということで、堂々巡りに入ったという流れです。

ただ時間ももったいないので、そろそろどこにどう賭けるか決めて一度やってみて、PDCA回しながら改善していきたいと思います。皆さんも何かアイデア等あれば是非ご一報ください!

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