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日本初!名古屋ダイヤモンドドルフィンズが国連「スポーツ気候行動枠組み」新基準署名

年末年始を挟んだため、発表が遅くなってしまいましたが、昨年末の12月28日付で国連の「スポーツ気候行動枠組み」(Sports for Climate Action Framwork)の新基準に、Bリーグの名古屋ダイヤモンドドルフィンズが日本のスポーツ団体として初めて署名しました。

環境省の 公式サイト”COOL CHOICE”にも先日記事掲載を頂きましたが、

https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/sports/topic/202202_1.html

このコラムでは、その経緯や国際情勢を含む背景、今後日本スポーツ界が進むべき方向性について少し解説してみたいと思います。

「スポーツ気候行動枠組み」は、パリ協定を受けて、2018年に開催されたCOP(国連気候変動枠組条約締約国会議)24でUNFCCC(気候変動に関する国際連合枠組条約)とIOCが連携し、世界スポーツ界が一丸となって気候変動問題に取り組むためのプラットフォームとしてつくられたものです。

ローンチ当時のリリースは、UNIC(国連情報センター)より日本語で訳文がリリースされています。

https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/32129/

リリースにある通り、以下の5つの原則にコミットをし、誓約書に署名をすることで署名団体として正式に登録されます。

原則 1:より大きな環境責任を担うため、組織的な取り組みを行う。
原則 2:気候変動の全般的な影響を削減する。
原則 3:気候変動対策のための教育を行う。
原則 4:持続可能な責任ある消費を推進する。
原則 5:情報発信を通じ、気候変動対策を求める。

要は、自社の事業(ホームゲーム運営等)の排出量を削減することと、ファンへの啓発活動の両方を実施することを期待されている、という内容です。当初からFIFAやUEFA, NYヤンキース、英プレミアリーグ、東京2020・パリ2024組織委員会も署名しており、バスケットボール界ではFIBAやNBA、ゴールデンステート・ウォリアーズも署名していました。ドルフィンズは、2020年12月に、この「スポーツ気候行動枠組み」に日本の1部リーグ所属クラブとして初めて署名しており、2022年2月現在の加盟団体数は270を超えています。

この署名団体に、2021年12月に開催され世界からも注目を浴びたCOP26を機に、新たに具体的な二つの目標が課されることになり、1)2030年までにCO2排出量半減、2)2040年までに正味排出量ゼロ、をコミットして毎年CO2排出量計測報告と削減戦略を国連に提出することにコミットしたのが、今回の「日本初」となった新基準署名です。

その背景としては、世界情勢的に、「スポーツ気候行動枠組み」としてコミットだけでなく具体的目標を掲げ戦略的に取り組む必要性が出てきたことが大きな要因になっているようです。また、当初は規模もレベルも多様なスポーツ団体の集まりとなっていたところ、国連が期待する「スポーツの力」を十分に発揮できるトップレベルのオリンピック関連団体やプロスポーツクラブに資格を限定し、本来の目的をより効率的に達成するためのしくみづくりをしっかりしている点が進化している点だと思います。

また、当初は5つの原則にコミットするだけでよかったのですが、実際にコミット事項に準じて実施したことを詳細に報告することが求められており、コミットだけでなく「行動すること」が前提となっています。ドルフィンズは、CO2排出量計測はもちろん、ファンへの啓発活動も積極的に実施している実績があり、今回の署名に至りました。

さらに、特徴的なのは、この新基準に署名することにより、署名団体は、2050カーボンニュートラルを目指す世界的キャンペーン「Race to Zero(ゼロへのレース)」に自動的に参加するしくみとなっている点です。

“Race to Zero” はスポーツ界だけでなく、全世界の全産業界に共通したキャンペーンで、パートナーと呼ばれる各産業分野、セクターの枠組みや組織に加盟することで参画が可能ですが、どのパートナーから参画するか、については慎重に選択する必要があります。なぜなら、パートナーはひとつしか選ぶことができず、例えば、国連の「スポーツ気候行動枠組み」から参画するドルフィンズは、他のパートナーを通じての参画はできないルールとなっているからす。

尚、日本のスポーツチームがすべてこの国連「スポーツ気候行動枠組み」に署名しなければならないかというと、個人的にはそうではないと考えます。手続きはすべて英語となり、国際機関との交渉は一般的な英語コミュニケーションに比し容易ではなく、報告書等も英語で準備する手間もかかってしまうからです。

では、どうしたらよいかというと、日本から日本語で “Race to Zero” に参画するプラットフォームJCI「Japan Climate Initiative」があるので、そちらに加盟するという方法があります。
https://japanclimate.org/race-to-zero-circle/

弊社が企画している非営利プロジェクト「Sport For Smile プラネットリーグ」の方で、今後海外登壇者もお招きして実務セミナーも開催したいと思っていますので、その際に、世界情勢の最新情報や日本スポーツ界の気候変動への取り組み方法の選択肢を整理してお伝えできればと思いますので、是非ご参加ください。

https://planetleague.sport4smile.com/

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